aopen_chan’s diary

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自宅に絵を飾ってますか? 映画の感想と今の生活を考えた

先日、渋谷binkamuraに映画『ナショナル ギャラリー英国の至宝』を観に行った。

 映画の内容

1824年創立の英国初の国立美術館、ナショナルギャラリー 年間500万人以上が訪れる世界トップクラスの美術館。ロンドンの中心、トラファルガー広場にあるこの美術館の舞台裏に3ヶ月密着したドキュメンタリー映画。

念密な修復作業、最新技術による新たな絵画の発見。また興行への悩み。個性豊かな専門家たちのギャラリートーク、アートとの新たな出会いなど、181分どっぷりと。


映画『ナショナルギャラリー 英国の至宝』オフィシャルサイト

 

映画の感想 181分、新しい美術体験にどっぷりと浸れた。

  1. 宗教画は聖書という物語があり、解釈を共有するときの下支えになっている。
  2. 支配人(男性)とスタッフ(女性)のアートのふれあい方についての議論が実際に何が問題かを提示して欲しい男性と概念的な話が多く大枠から問題提起する女性とよく見るまとまりのない会議が観れて面白かった。
  3.  国立美術館がチャリティー事業とどう付き合っていくかの会議も見もの。
  4. 絵画を展示する際の、レイアウト(両隣のアートとの関連性)や細部にわたる採光の調整など感嘆する仕事ぶりだった。
  5. 修復風景については、緻密な作業に目が行きがちだが、いつでもオリジナルに戻せるようにニスの上から修復するという方針に驚いた。また修復師の裁量を想像していたより大きく。常に作業は現時点のbetterであり、それがbestではない。解釈の誤りによっては作品を傷つけてしまうことも。
  6. 裸体の絵画、デッサンモデルの肉体美、バレリーナの肉体美 どれも健康的で美しい。
  7. 絵画を解釈するときにはその時代背景やもともと絵画があった場所に立ち返ることが重要な要素になる視点が面白い。蛍光灯のように天井から均一の光の元で絵画を鑑賞するなんて作者は想像もしていなかった。大きな暖炉の上に飾られた絵画は見上げるように鑑賞する。自然光が左からはいると絵はどのように見えるか。など
  8. 絵の解釈を専門家があーでもないこーでもないと議論をぶつけあう姿は推理小説をみているよう。
  9. 美術館に触れる機会が日本より多い。
  10. 学芸員による10分アート解説、子供へのアート会、音楽鑑賞どれもかしこまった雰囲気ではなく、気軽さが感じられる。デッサンをする人も多くみかける

映画を観終わり感じた日本との違い。 日本での絵画とのふれあいについて

  1. 日本は美術関連の興行があると殺到するほど人気。熱狂的な集客がある。
  2. 美術品や絵画に興味があるが生活には密着していない。ハレの日の行動。
  3. アート(その場合絵画)に触れる機会が少ない。そもそも日本には油絵などは定着していない?日本教育の場合はデッサン?水彩画?習字?
  4. 気軽に絵画を見たり、買いに行く場所が少ない。入館料や購入するにも値段が高い。美術館や日本画廊の問題?海外のような露店や市場もなかなか見かけない。
  5. 知名度が高い絵画は求められ全国に行脚し熱狂的な話題作りをする。TV告知、特集番組、特集雑誌、コラボ料理、商品開発←アート鑑賞とは違うニーズ?
  6. 日本の賃貸住宅は白壁に穴を開けたり壁にかけるのに抵抗感がある。
  7. 分譲住宅でも白壁を汚さず、綺麗な白壁を維持する意識が強い?
  8. 一般家庭ではアートを次の世代に引き継ぐことが少ない。引き継ぐとしても茶道具類や宝飾品、和ダンスなどで、日常飾るような絵画や掛け軸はみかけない。
  9. 日本美術では掛け軸を床の間(掛け軸専用のスペース)に飾るように、絵を中心にその周辺の環境が整ってないと飾りにくい?どこかインテリ、崇高なものの意識がある?絵も気軽にどこでも飾る認識は薄い?
  10. アートを鑑賞するとき、解釈が押し付けられることが多い?または無知識のままにさぁ自分自身で自由な解釈と言われてもその術がなく、考えることもできない人が多いのでは?第一印象しか捉えられない。
  11. 自分とアートとの関係性を探ったりする見方はあまりしない。
  12. 余談:注目トレンドに多くの媒体、shopが一斉に取り扱って,都心から地方に広がり1-2年で消費してしまうのと関係しているのだろうか。例:北欧→ポートランド→ブルックリン

アートには興味関心はあるが、遠い存在になりがちな日本。

もう少し掘り下げてどんな需要と供給があるか考えてみたい。