テーブルウェアフェスティバルで伝統継承のあり方を見た
東京ドームで開催中の『テーブルウェアフェスティバル2015』
このイベント、窯元地域の陶器市とは違い、全国の窯元や輸入会社が出店、多種多様の器が集まるが面白い。250以上の販売ブースが常設されている。
またテーブルコーディネートが一同に見れるのも愉しいところ。
東京ドームシティ|テーブルウェア・フェスティバル2015~暮らしを彩る器展~
テーマ展示。スイーツガーデン。
黒柳徹子さんのコーディネート『貴族のピクニック』
気になったのは NORITAKE×雲母唐長 とのコラボレーション商品。唐長は創業1624年の京都の唐紙屋。その11代目の長女夫婦がプロデュースしているブランドが雲母唐長。
現在まで長く愛用されてきた唐紙柄には意味がひとつひとつあり納得度が強い。
- 南蛮七宝金彩 幸せが四方八方へと繋がる演技模様
- 角つなぎ 縁をつなぐ願いがこめられた模様
- 天平大雲 商売繁盛の模様として愛される
- 大牡丹 牡丹は幸せと富貴の象徴
江戸時代から引き継がれている伝統柄も現代の日常生活に使われないと廃れてしまう。そのため、紙以外の異素材とのコラボレーションなどを積極的に展開を広げていくことは家業を継続していくのに大切なんだろうな。
また、唐長は建築家でもある長男が12代目として伝統家業を継いでいるからこそ、長女が新しいことに挑戦できる。
伝統工芸の継承者不足と言われているなか、唐紙屋で唯一400年間続いているのは、時代にあわせた柔軟さとともに、家業をつないでいくという家族親族の絆の強さ、技法や何より400年間引き継がれた650種類以上の文様を彫った板木(資産)がある等様々な要素が繋がっている結果だと思った。
技術があっても、後継者がいても、ニーズに合わせた商品をつくっても、何かが足りないと継続は難しいんだろうな。