社会の変化に脳の仕組みは追いつかない
2つのTV番組が、興味深かったので記録に残します。
ズバリ!
人間の心やカラダは700万年かけてゆっくりと進化していったもので社会の変化にはそんなに上手に適応できていない。
・「NHKスペシャル ママたちが非常事態!? 最新科学で迫る日本の子育て」
人間は共同養育の本能が刷り込まれている
出典:NHKスペシャル ママたちが非常事態!? ~最新科学で迫るニッポンの子育て~
出産後に母親が強い孤立感と不安感を持つことが多い。これは700万年前から人間に備わった特性だと科学的にわかってきた。
本来、同じ祖先で700万年前に進化が別れたチンパンジーと比較してみると
チンパンジーは出産後、子供が独り立ちするまでの5年間付きっきりで保育をする。
その間、出産することはなく、人間のように孤独感を感じることはないそうです。
人間は進化の過程でチンパンジーととは違い、毎年子供が産むことができるようになった。 沢山の子供を産むのは人間の特徴(チンパンジーは5年間妊娠しない)
そのためには育児をしながらでも、次々と妊娠・出産できるようなライフスタイルが必要だった。それが「共同養育」
生後3ヶ月の子供を他のお母さんに預けたり、他人の子供にお乳をあげたりと共同養育をしてきた。自然界で生まれたばかりの我が子を他人に預けるのは人間だけだそうです。
現代でも、出産直後から母親はエストロゲンが激変することで、不安や孤独を感じるようになる。それは出産後に「共同養育を促す」ためだと考えられている。(他人に預けることを促している。)
人間の本能:共同養育の本能が刷り込まれている
社会的変化:核家族が8割現代の社会では母親が独りで保育することが多くなってきた。人間の本能に沿った共同養育環境とは社会がかけ離れている。
このミスマッチが母親を苦しめている。(共同保育の現代版ともいえるベビーシッターや父親の育児参加の比率が日本では極端に低い)
人類のカラダ、心は700万年かけて進化しているがこの100年の社会の環境変化に適応できない。育児については母親個人の悩みとして取り上げられることが多いが脳の仕組みだったというのは新鮮でした。
それ以外に番組では夜泣き、イヤイヤ期、旦那さんへのイライラの理由など科学的に検証しています。人間の仕組み、科学的な知見に基づく子育てって広く認識されるといいですね。
お時間あればは是非ご覧ください。
オンデマンドで視聴できます↓
脳科学を学べば人生が楽になる! 中野信子が明かす脳と人間の感情の仕組みとは
この番組も科学で脳の謎に迫っており面白かったです。一番印象に残ったところは
脳科学者中野さんのこの話↓
結婚しない人が増えた理由は
非常に単純な話。結婚がリスクになるから。
生物の設計上のミスというか、しょうがない帰結。
自分が生き延びる、種としても生き延びなければならないんですが
生き延びさせるためには危険から身を守る機能が必要。
あまりにも働きすぎると、個体にとってリスクになることを取らせない。
子供を産むことをさせない。メスにとって出産は命の危機を感じさせる出来事なので。
そんな簡単に脳は変わらないんですね。科学の速さの方がずっと速い。脳が遅れてるんです。社会が進みすぎて脳が追いついてない。
過去の記事↓ 個人的には共同保育の観点から保育園義務教育化が進んで欲しいです。
これが本能的な「共同養育」につながるはず!