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aopen_chan’s diary

気になる事を書き留め、ビジネスに繋がるヒントを探す

違った競争優位性が手に入る!?感想「スペンド・シフト」

感想

ちきりん本で紹介されていた「スペンド・シフトー〈希望〉をもたらす消費ー」を読んでみました。

スペンド・シフト ― <希望>をもたらす消費 ―

スペンド・シフト ― <希望>をもたらす消費 ―

 

 

消費者にとってのスペンド・シフト

わたしたちは、何かを買うたびに自分の価値観や優先順位を表明している。消費者は、破壊ではなく想像に向かうように、資本主義を築き直すことができる。

企業にとってのスペンド・シフト

倫理、社会のつながり、共感、説明責任など、消費者にとって重みが増している価値観を理解し、受け入れる企業は、これまでと違った競争優位を手に入れることができる。

 

出典:本書帯より

帯の「企業は、これまでと違った競争優位を手に入れることができる」という文章に興味があり読み進めてみました。 

 この本では、アメリカで経済的なショック後に消費に対する考え方(大量消費社会)が変化したことを取り上げています。希少性を増す、個人のお金をより良い経験や社会に使おうとする動きなどの具体的事例が多く掲載されています。

私的感想

社会は「より多く」から「よりよく」。「モノを集める」大量消費社会から社会のつながり、倫理、共感など「知識を蓄える」消費に大きくシフトし始めており、そこに大企業の情報公開の必要性や規模にとらわれないビジネスチャンスを提言しています。でも、この考え方が世界のムーブメントとして日本でも必ず広まっていくかは少し疑問です。これが日本でも選択肢として増えてくる、発生するかもしれないと思っておこうと思います。

アメリカは借金(ローン)をしてでも消費する文化が根底にありますが、日本社会は貯蓄文化であり、アメリカに比べて不安・心配解消ビジネスが盛んです。環境資源の限りや世界における日本の経済的地位を考えると成熟してきた日本が大量消費社会をこのまま続けるとは思ってはいませんが、日本家庭での食べ残しの多さや「修理、手直し」(DIY)文化が根付いていないところからまだ消費社会が続くのではと思っています。正直「MOTTAINAI」は今の日本では浸透していませんよね。

この本をとても事例が豊富です。1度通読ししたら雑誌等で注目されている企業の方針や背景が捉えやすくなりました。

最終章で10の要点にまとめています。 

  1. 借金から貯蓄への流れが生まれている
  2. 消費者という概念を捨てて「顧客」ととらえるべきである
  3. 企業は個人の集まりである
  4. 世代間の溝が埋まりつつある
  5. 消費者の厳しい目が市場に変革を迫っている
  6. これからのビジネスモデルを支えるのは寛容の精神である
  7. 消費から創造へと社会の軸足が変化している
  8. 大きな問題を解説するには小さな発想が求められる
  9. アメリカは理念にもとずくイノベーション新興市場である
  10. 何もかもうまくいくはずである 

出典:「スペンド・シフト」p338

本文では10の要点を「消費」「ビジネス」「生き方」の視点から説明しています。私的に気になったものを箇条書きにしてみました。

  1. 「価格と価値の両面で満足を得られる何かを探し求めている」「借金の時代はモノが主役だったが、貯蓄の時代となったいま、世の中を動かすのは意味である。何を持っているかよりも、わたしたち自身に何が備わっているのかが大切になってきている。〜個性、物語、本物であることに大きな価値が置かれているため、信頼されるかどうかは「中身」で決まる」
  2. 「モノやサービスの購入は重みを増していき、支出は投資のような位置づけになる」「株主は目先の利益を求めるが、顧客は永続する価値を望む」「社風と理念は商品と同じくらいの重みをもつ」「消費者はブランドの伝道者となる」
  3. 「組織への信頼が損なわれたいまの時代、先進的なビジネスは個人主義をよりどころに展開する」「モノやサービスではなく人や経験に対してお金を払う傾向を強めるだろう。その結果、非常に親しみやすい、友情を育みそうな企業はブランドに支持が集まると予測される」
  4.  「理念主導型の革命は年齢、所得、居住地域などの違いを超えたひろがりを示している」「インターネット商用化から20年40歳以上もデジタル技術に馴染んできた」
  5. 「消費者は〜質実剛健、透明性、説明責任を求める。ブランド資産はけして盤石ではなく、世間の信頼を保てるかどうかで浮き沈みが予測される」
  6. 「20世紀には、企業は情報面での優位をいかしてビジネスを行い、利益を生み出していた。〜今日では顧客が利用できるデータは企業に引けをとらず、時には凌いでいるほどである。」
  7. 「いまの時代はひとりで何役もこなす必要がある」
  8. 「人々が自分の消費をいまよりも慎重に考えるようになると、どの市場でも、小さな企業がファンを集めるまたとないチャンスを手にするだろう。規模の力では押しとどめられないはずだ」「大きな問題も小さな問題が絡み合ったものにすぎず、解決策も互いに結びついている」「コストを押し下げるための経済性と効率性、売上を伸ばしていくための流通網は、以前ほど威力を発揮していない。大規模はバリューチェーンを支えるには大きな顧客セグメントが必要であるため、どうしても八方美人的な発想になり、誰かのハートに強烈に訴えかける商品やサービスの提供を目指さなくなる。しかも。大規模に事業を展開していると従来の売上高が頭から離れず、売上の現象になんとか歯止めをかけいようと躍起になるあまり、顧客によって多くの意味や価値をもたらそうという意識が薄れていく」
  9. 「絶えることのないイノベーションによって暮らしにいっそう適したサービスを提供するよう、企業にもとめていくだろう。打てば響くような顧客サービスやカスタマイズ商品を期待するだろう。説明責任を果たし、持続可能なビジネスを展開する誠実な企業を応援するだろう」
  10. 「テクノロジーが、競争障壁を低くし、プロフェショナルとアマチュアの差を縮めている」

 経済規模や効率の競争優位性が必ずしも強いわけではないというのはこれからビジネスをはじめようと思う者には心強い考え方です。しかし、全ての情報を公開、可視化して真摯に商売をするって実際考えると難しいですよね。顧客との信頼関係を築くためには将来への先行投資がある程度必要だと書かれていました。

今後気になる企業があれば照らし合わせてみようと思います。

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 過去の記事と内容が少しかぶっています

aopen-chan.hatenablog.jp