第二回アンテナショップ巡り 群馬県「ぐんまちゃん」熊本県「くまモン」の扱いはこんなにも違う
今週のお題「ゴールデンウィーク2015」にちなみ有楽町、日本橋周辺のアンテナショップを連載で紹介していきます。ここでは基本情報は他に沢山特集が組まれているので、私が来店して感じたこと、疑問に思ったことなどを書き留めます。
↓過去記事に掲載したアクセスマップを参考にして先月、有楽町・日本橋周辺のアンテナショップを2日間で巡りました。
アンテナ‐ショップ(antenna shop)
1 製造・流通業者などが、新製品などを試験的に販売する店。消費者の反応を調査して商品開発に役立てる。パイロットショップ。
2地方自治体が東京・大阪などの繁華街で地元の特産品などを販売する店。祭りなどの情報も流し、大消費地の傾向を調査するねらいがある。サテライトショップ。出典:デジタル大辞典
ご当地アンテナショップは上記のような魅力発信や消費動向調査の目的があるので
①来店のしやすさ(立地条件、顧客の偏りがないか)
②目玉商品や展示の面白さ
③実際に現地に行きたくなるか(観光情報・移住情報)などを気にしながら巡りました。
さて、初回からいきなり、通常のアンテナショップとは一味違うコミュニケーションショップを目指す群馬県を紹介します。
群馬県アンテナショップ「ぐんまちゃん家」はキャラクターだらけ。
どーん。と「ぐんまちゃん」お出迎え。群馬県は世界遺産登録を果たし、様々な魅力が掘り起こされており絶好のPRチャンスだと思うのですが、ショップでは「ゆるキャラグランプリ優勝のぐんまちゃん!」を全面アピールしています。
全ての物を「ぐんまちゃん」染めてしまう破壊力。 いやぁー常に店内にはぐんまちゃんBGMが流れており、お菓子は文房具だけではなく、マスクや日焼け止めと多種多様のぐんまちゃんグッズがひしめいています。店内に入れる客層が限られてきますね。
どうしてこんなにもぐんまちゃんを大プッシュしているのか、県民のゆるキャラグランプリへの熱い思いの裏返しなのでしょうか。気になったのでちょっと調べてみました。過去4年の順位や大会の規模の拡大をみると、群馬県民というより群馬県庁にとって1位は悲願だったのかもしれません。
●2011年大会 18位
・エントリー数:349体
・投票数:約333万票●2012年大会 3位
・エントリー数:865体
・投票数:約659万票●2013年大会 3位
・エントリー数:1,580体(ご当地ゆるキャラ:1,245体、企業ゆるキャラ:335体)
・投票数:約1743万票●2014年大会 1位
私的感想 ぐんまちゃんの効力はどのくらい続くのか?
さて、今年の2015年11月までは認知度1位のぐんまちゃんは良いPRだと思うのですが、キャラクターの効力って永続的では無いと思っています。ここまでぐんまちゃん=群馬県PRにしてしまうと、キャラクターイメージの低迷とともに群馬PRも下がってしますのではないかと勝手に心配してしまいます。アンテナショップには観光情報コーナーがあるのですが、結構散らかってますね。正直、これで群馬に遊びにいこうとは思いにくく本来の目的から反れているような気がします。
では、 2011年ゆるキャラグランプリ1位のくまモンのいる熊本県はどうなんでしょう?
熊本県のアンテナショップはくまモン控えめ作戦!棲み分けが賢い。
さぁ、群馬県のアンテナショップでもキャラクターグッズにあふれているんだろうなうんざりしながら、熊本県のアンテナショップ「くまもとプラザ」に入ってみると。あれ?くまモンがいないというか、とっても控えめな存在。
入り口正面には野菜などの豊富な生鮮食品が並んでいて、各棚の特産物にまぎれて、くまモンのイラスト商品を見つけるくらいです。黒い熊だから黄色いぐんまちゃんより目立たないのかな?と思ったけれどそうでもなさそう。圧倒的に地場商品が多いです。
あれだけ知名度が高いくまモンがなぜ?と思い店員さんに尋ねたら。「くまモンのグッズは二階にあります」とのことでした。
そこで、2階に進むと、次第に「くまモンソング」が聞こえてきてキャラクターショップがありました。造りは百貨店の特設会場にある臨時ショップのように簡素な雰囲気でしたけれど、くまモングッズ目的だろうと思われるお客さんが集まり買い求めてました。2階入って観光情報コーナーの隣がくまモンショップの配置が、観光パンフレットを取りやすくしている気がしました。でも、1階だけを巡ると2階の観光案内に気がつかない人もいるかもしれません。
公式HPトップページでもくまモンは見当たりません。潔い!
ちなみに「くまモン」は根強い人気で、「くまモンファン感謝祭2015inTOKTO」が開催されたり、豊洲のららぽーとでは期間限定で「くまモンのふるさとショップ」というグッズ専門店がありました。
ご当地キャラクターが沢山ありますが、そのキャラクターをどう活用していくかは地域によって様々。個人的にはアイキャッチにはよいけれどご当地アンテナショップとしては頼りすぎるにはリスクがあるような気がしています。
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